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現在、法律で歯科健診が義務付けられているのは、1歳半と3歳の乳幼児期と小学生〜高校生までの学齢期です。一方で大学生や社会人では歯科健診は義務付けられていません。
そのため、成人の歯科健診受診率は低く、違和感や痛みを感じてから歯医者を訪れるという人も多くいます。厚生労働省(令和5年(2023)「国民健康・栄養調査」の結果)によると、過去1年間に歯科健診を受けた人は58.8%と、むし歯や歯周病などの口腔疾患への意識はまだまだ高いとは言えません。
細菌の感染によって引き起こされる歯周病は、歯茎や歯を支える骨が溶けてしまうだけでなく、放置すると全身の病気を招いたり、悪化させる恐れがあります。
歯周病菌が心疾患や脳卒中のリスクを高めたり、糖尿病を悪化させる要因の一つであることも分かっていて、口腔内を健康に保つことも、全身の健康状態を維持していくうえで大変重要であると考えられるのです。身体の健康診断ではおなじみの「人間ドック」ですが、その歯科版ともいえる『歯科ドック』というものがあります。
聞いたことがある人や、すでに歯科ドックを受診したことがある人もいるかもしれません。また、3カ月~半年ごとに定期的なお口の健診をしているという人もいるでしょう。口腔領域の健診とは、いったいどんな検査をするのでしょう? 一般的な検査をいくつかご紹介します。
むし歯のチェック
むし歯は、歯の噛む面だけでなく、歯と歯の間などの直接見えないところにもできやすいため、専門的な立場からむし歯をチェックします。
歯ぐきのチェック
歯のまわりのポケット(歯周ポケット)が深いと、歯周病になります。あなたの歯周ポケットの深さがどのくらいか、チェックします。
歯垢の染め出しチェックとブラッシング指導
奥歯の溝やブラシが当たりにくい場所には歯垢(プラーク)が溜まりやすくなります。
これをきれいに取り去ることはとても難しいことですが、染め出しをしてどこにプラークがつきやすいかをチェックすることで、毎日のブラッシングの仕方を見直すことができます。歯並びや歯みがきのクセなどを知り、あなたに合った歯ブラシ・フロス・歯間ブラシなどの使い方を教わりましょう。
歯石除去
歯石は歯垢と唾液に含まれるリン酸やカルシウムが結合し石灰化したものです。
誰にでもつき、自分で取り除くことは困難ですので、健診でしっかり取り除いてもらいましょう。歯科相談
むし歯や歯周病についての悩み事以外でも、顎の痛み(顎関節症)、噛むことや飲み込む(摂食・嚥下)機能についての相談や、要介護者のお口のケアなどについても気軽に相談してみましょう。
お口の中の粘膜の病気をチェック
お口の中や舌、唇、口角などの粘膜にできる炎症(口内炎)には、お口の中やその周りに原因があるものと、全身的な原因があるものとがあります。
また、口腔粘膜の異常は、口腔がんなどの病気の可能性もあります。https://www.jda.or.jp/go/check.html 日本歯科医師会ホームページより一部抜粋
定期的に歯科健診を受けることで、
※ 虫歯や歯周病の発症リスクを減らせる:
口腔内の健康維持、延いては全身の健康維持にもつながる※ 虫歯や歯周病があったときにすぐに治療できる:
身体への負担(歯を削る・抜く)の軽減、治療回数の短縮や治療費を抑えられる※ 将来、より多くの歯を残せる:
咀嚼・嚥下機能の維持、いつまでも若々しく、はっきりとした発音で会話を楽しめる※ 結果的に医療費を抑えられる:
認知症の予防、糖尿病や動脈硬化などの脳血管障害のリスクの軽減につながるなど、多くのメリットがあります。
「健康維持」「予防」のための歯科健診について、まずはお気軽にお問い合わせしてみてください。
